2023
06.24

タイタニック号ツアー潜水艇、そもそも現状の救助法では船体を破壊する恐れ

ニュース, 海外

捜索中の探査機は引き揚げ作業に非対応、F-35戦闘機に使った海軍のシステムは乗員が命を落とす可能性も


ナショナル ジオグラフィックが独自に入手した情報によれば、消息を絶った潜水艇タイタンを見つけて回収するため、米国の「探検家クラブ」が6月19日から人命救助につながる技術を投入しようと試みているが、米沿岸警備隊に阻まれているという。 【動画】世界初、タイタニック号の8K映像、オーシャン・ゲート社撮影  また、タイタンの捜索中、少なくとも1台のROV(遠隔操作無人探査機)が壊れたことが明らかになった。  探検家クラブの会長を務めるリチャード・ギャリオット・ド・ケイユ氏は、深海探査を専門とするマゼラン社の作業用ROVを捜索に使いたいと19日に提案したが、官僚的な混乱に巻き込まれていると語った。タイタンに搭乗していたハミッシュ・ハーディング氏とポール・アンリ・ナルジョレ氏は探検家クラブの会員だ。  

タイタニック号の調査に使われたこともあるマゼラン社の作業用ROVは、深さ6000メートルまで潜水可能で、タイタンの引き揚げに使える外部アームを装備している。現在は英国にあり、16時間以内に現地に届けることができるという。  対して、救助に派遣された海軍の「フライアウェイ深海救助システム」は、2022年3月に南シナ海で米空軍の戦闘機F-35Cをタイタニック号の沈没地点とほぼ同じ水深約3800メートルから引き揚げるために使われた。  しかし、戦闘機と異なり、タイタンの船体はカーボン複合素材でできている。ギャリオット氏は、海軍システムの回収用「スコップ」がタイタンを傷つけ、生存している乗員が回収過程で命を落とす可能性もあると懸念している。 「大きなスコップが船体を押しつぶすのではないかと心配しています。

船体に圧力をかけることなく、泥の中にスコップを潜り込ませるのはほぼ不可能だからです」とギャリオット氏は説明する。「一方、6000メートル潜水可能な作業用(ROV)は、船体上部のポイントに直接(ケーブルを)取り付けられます。これは伝統的な方法で、マゼラン社のような人々は何度も繰り返し行っています。そのように設計されているのです」  現在、複数のROVがタイタンを捜索しているが、いずれもデータの記録のみが可能で、たとえタイタンが見つかっても、引き揚げの支援はできない。  さらに、少なくとも1台、あるいは2台のROVが捜索救助中に損傷したか、壊れた。これは救助隊が直面している困難な状況を物語っている。

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